会頭ごあいさつ
令和6年 年頭所感
「歴史を尊重し、未来へつなぐ」
「歴史を尊重し、未来へつなぐ」
新年明けましておめでとうございます。
会員の皆様方におかれましては、輝かしい新たな年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げますとともに、今年の干支「辰年」にちなみ地域経済が力強く上昇する一年となることを心から祈念いたします。
さて、昨年は国際情勢が不確実性を増す中、基地の街「佐世保」は国防の要衝として重要性を増していると感じております。クルーズ船入港によりインバウンド観光客が増加するなど国際色豊かな佐世保らしい賑わいが垣間見えるなど緩やかに景気回復の気配を感じるものの、長引く円安やエネルギー価格の高騰、人手不足など、依然として厳しい状況にあります。また、地方都市では少子高齢化や人口減少への対応という構造的な課題を抱えており、佐世保市においても未来ある若い世代や子供たちのために活力ある街づくりが求められています。
そのような中、佐世保商工会議所は、2025(令和7)年1月に創立100周年を迎えます。これまでの歴史を振り返り、次の100年を見据えながら活動に取り組んで参ります。
佐世保は1889(明治22)年に旧海軍鎮守府が開庁したことで、軍港都市として急速に成長を遂げてきた歴史があります。現在、本市には海上自衛隊や陸上自衛隊、米海軍基地があり、毎年大きな経済効果をもたらしています。また、それらの存在は多くの自衛隊員や米軍人、そのご家族の雇用や消費活動を創出するなど、基地は現在も本市の重要な産業基盤となっています。さらに、昨年政府により今後5年間の防衛予算が43兆円と示されたことで、関連産業の経済波及効果も期待されます。当所は、基地への理解を促進するとともに基地を地域資源としたまちづくりに注力したいと考えています。地元企業が自衛隊や米海軍の仕事を着実に受注できる支援体制の充実、防衛産業企業を呼び込む受入体制の強化を図るとともに、基地がその機能を最大限に発揮できる環境を整備することで、基地との「共存共栄」を深めて参りたいと存じます。
地域経済の活性化策として取り組んだIR誘致は、長崎県が令和4年4月に申請した区域整備計画について国からの認定を受けることができませんでしたが、長い歳月をかけ地域が一体となった取り組みは大変有意義であり、経済発展の起爆剤としての期待も大きく今後の動向を見守りたいと思います。国内外が着目した佐世保地域の魅力は今後の発展のポテンシャルとして価値があるものと確信しています。地域の課題を見直し、これまで以上に佐世保地域、長崎県内の関係機関と連携を深め地域経済の発展に取り組んでまいります。
業界・地域が抱える課題につきましては、当会議所部会活動を通して、各業種・業界の課題や要望を明確化し、地域の実情を国へお伝えできるようアクティブに活動してまいります。また、会員サービスの分野では、引き続き中小・小規模事業者の経営支援の拡充や人材育成支援の強化に取り組むとともに、各業界の情報収集、分析、発信によりタイムリーな情報提供を図ることで、会員企業の経営安定と成長をサポートし、地域経済の活性化に繋げて参ります。
佐世保の価値と可能性を皆様とともに考え、地域経済の発展と将来の明るい社会づくりに繋げて参りますので、本年も皆様方のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、会員皆様方にとりまして、健やかで幸多い一年となりますことをお祈り申し上げ、年頭のご挨拶といたします。